2024年2月2日金曜日

「連打で前進」ウェイン・マッカラー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBC世界バンタム級王者。セルヒオ・ラミレス戦、ファブリス・ベニシュ戦、ヘロニモ・カルドス戦を紹介します。

ウェイン・マッカラー(アイルランド)

身長170cm:オーソドックス(右構え)

ウェイン・マッカラー 3R KO セルヒオ・ラミレス

(バンタム級4回戦、1993年)

「連打で前進」ウェイン・マッカラー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

3R:左ボディフックでラミレスがダウン、連打でスタンディングダウン、連打でダウン

(感想:「Pocket Rocket(まるでロケット砲のように強いパンチを連打する男)」と呼ばれたマッカラー。アメリカを主戦場に英国、日本のリングに上がった。北アイルランド・ベルファスト出身。8歳の時、兄に誘われてジムに。アマチュアでは300戦以上を経験し、バルセロナ五輪ではバンタム級で銀メダル(金メダルはキューバのホエール・カサマヨール。プロでも世界王者に)。プロデビューの相手はアルフォンソ・サモラ(あの元WBA王者ではなく同名の別人。ちょっと面白い話)。4RでTKO勝利。ラミレス戦はプロ二戦目。ラミレスはメキシカンでこれがデビュー戦。ニューヨークでの一戦。グリーン(アイルランドのイメージカラー)のトランクスのマッカラー。開始からハイテンポな攻防。共に速い動きで手数を出し、互いにディフェンス。マッカラーは基本形な攻撃。ジャブ、ワンツーからの左フック。時折アッパー気味の右フックも使う。ラミレスは攻撃重視で、右ストレート、接近して左右フック。次第にディフェンスの差が。ラミレスは攻撃の際に隙を見せ、そこを右で打たれる。3R、連打からの左ボディでラミレスがヒザを着くダウン。立ったが、ロープ際で連打を浴びてスタンディングカウント。再開後、連打でヒザを着き、10カウント。マッカラーが精力的な攻めで勝利。互いに激しく動いていたが、マッカラーはディフェンスができていた。4回戦はラウンド数が短いことからハイペースになりがちであるが、そういう場合でもやはりディフェンスは重要。ラミレスはその後、数試合を経験して引退。特筆すべき活躍は無かった。)


ウェイン・マッカラー 10R 判定 ファブリス・ベニシュ

(J・フェザー級戦、1994年)

「連打で前進」ウェイン・マッカラー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:デビューから全勝のマッカラー(24歳)。ジェローム・コフィに勝利後、決定戦で北米バンタム級王座獲得。初防衛戦でビクトル・ラバナレス(メキシコ)に勝利してWBC世界バンタム級王座への挑戦権を獲得。ベニシュとノンタイトル戦。ベニシュ(29歳)はフランスの白人で、元IBF世界J・フェザー級王者。フックを中心とするボクシングをする男であるが、ジャブが少ない欠点がある。このところ勝ったり負けたり。アイルランド・ダブリンでの一戦。予想通りパワーで勝負するベニシュ。踏み込んで右ストレート、接近して左右フック。パワフルだが、やはりジャブは少な目。マッカラーは丁寧なボクシング。ジャブ、相手の隙を突くパンチ、ディフェンス。互いにボディ打ち(迫力)。接近戦での打ち合いが最後まで続いて10R終了。判定はPTS(レフェリーが一人で採点)。マッカラーがジャブで勝利。ベニシュはフックを振るう疲れる戦い方。エキサイティングではあったが、ジャブを使って自分のパンチを生かす戦い方ができなかったのが惜しい。その後、ベニシュは中堅どころに勝利し続けたが、欧州王座戦(J・フェザー級)に敗北。ラストファイトはWBCの地域王座戦(フェザー級)でTKO負けだった。)    


ウェイン・マッカラー 8R TKO ヘロニモ・カルドス

(フェザー級戦、1995年)

「連打で前進」ウェイン・マッカラー①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:デビューから15連勝のマッカラー。北米バンタム級王座を返上し、カルドスとノンタイトル戦。これまで22勝(16KO)6敗2分のカルドスはメキシカン。デビューから戦績は悪くはなかったが、ホセフィノ・スアレスのWBC米大陸王座(J・バンタム級)に挑戦して敗北。以後は勝ったり負けたり。ルイジアナ州ケナーでの一戦。互いにジャブ。共に手数が多い。カルドスはワンツー、メキシカンらしい左フック連打、左ボディ打ち。実にアグレッシブであるが、パンチの振りが大きく、隙が大きい。マッカラーは既にスタイルを確立。ワンツーからの左フックなどを正確に入れていく。3R、左フックでカルドスのマウスピースが落下。その後も打たれるカルドス。アッパー気味の左フックなどで打ち返すが、劣勢。7R終了後、カルドスが棄権。マッカラーがパンチの正確さで勝利。いよいよ次は「WBC1位」として薬師寺保栄のWBC世界バンタム級王座に挑戦。カルドスはその後、辰吉丈一郎、マルコ・アントニオ・バレラらを相手に連敗してキャリアを終えた。)

 

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