2024年2月12日月曜日

「ドイツ人サウスポー」ヘンリー・マスケ②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

IBF世界L・ヘビー級王者。王座防衛戦。グラシアノ・ロッシジャーニ戦(再戦)、デュラン・ウィリアムス戦ほかを紹介します。「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

ヘンリー・マスケ 12R 判定 グラシアノ・ロッシジャーニ

(IBF世界L・ヘビー級タイトル戦、1995年)

「ドイツ人サウスポー」ヘンリー・マスケ②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:マスケがタイトル防衛。8度目の防衛戦はドイツ人同士のダイレクト・リマッチ。IBF11位(前回は9位だった)の挑戦者ロッシジャーニは元IBF世界S・ミドル級王者。前回の試合では左ストレートでマスケを追い込んだが、3-0で敗北。今度はどうか? ミュンヘンでの一戦(リングアナはマイケル・バッファ、レフェリーはアメリカの黒人ロバート・バード。ドイツ人同士の対戦にもかかわらずアメリカンな人選。それだけ「注目のイベント」だったということか)。ゴング前、ロッシジャーニが何やらイラついた態度(カメラマンや広告物に怒り)。開始から前回有効だった左ストレート、左アッパーで攻めるロッシジャーニ。マスケはいつものようにディフェンス&右ジャブ。今回は距離を取ってアウトボクシング。そして前回有効だった左ボディ打ち。接近戦ではパワーでロッシジャーニ。マスケはワンツー、左ボディ打ちで対抗し、相手と距離を取ろうとする。3R、マスケの左アッパーがヒット。ロッシジャーニのパンチも時折ヒットする。8R、マスケが前回と同様、相手を上から押さえつける反則。その後も単発ながら左を当てるロッシジャーニ、アウトボクシングのマスケ。12R終了。判定はまたしても3-0。マスケがディフェンス&コンビネーションで勝利。ロッシジャーニはよく前に出たが、攻めのリズムに問題があった。その後、ロッシジャーニはダリウス・ミハエルゾウスキーのWBO世界L・ヘビー級王座に挑戦して勝てず。決定戦でマイケル・ナンを下してWBC世界L・ヘビー級王座獲得。ついに二階級制覇達成。)


ヘンリー・マスケ 12R 判定 デュラン・ウィリアムス

(IBF世界L・ヘビー級タイトル戦、1996年)

「ドイツ人サウスポー」ヘンリー・マスケ②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:マスケがタイトル防衛。9度目の防衛戦。ウィリアムスはジャマイカ出身の黒人。デビュー戦は地元(勝利)。以後はアメリカを主戦場にこれまで無敗。これが初めての王座戦。ドルトムントでの一戦。速いジャブを連打するウィリアムス。前進して右ストレート、左右フックボディ打ち。マスケはいつもと同じ(ドイツ人は実に几帳面)。慎重にディフェンスして右ジャブ。2R、ウィリアムスの右ストレートがヒットしてマスケが後退。苦しくなるとやってしまうのか、マスケが右手で相手を押さえる反則。ウィリアムスはヘディング気味に頭を使いながら突進。その後、マスケはさらにディフェンンシブになってカウンター作戦。ウィリアムスは前進。7Rに右ストレートを決めたり、サウスポーにスイッチしたり。マスケが隙を突くパンチ、ウィリアムスはボディ攻め、といったパターンで12R終了。判定は3-0。マスケが当てるテクニック&反則で勝利。ウィリアムスはパワフルなボディ打ちなど良い攻めを見せたが、マスケをぶっ倒すことはできず。マスケに勝つにはディフェンスを吹っ飛ばすような「飛び抜けた強味」が必要。その後のウィリアムス。再起戦でジェームス・トニーとWBU王座を争ったが、TKO負け。それが最後の試合となった。)


ヘンリー・マスケ 12R 判定 ジョン・スカリー

(IBF世界L・ヘビー級タイトル戦、1996年)

「ドイツ人サウスポー」ヘンリー・マスケ②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:マスケがタイトル防衛。これまで全勝のマスケが10度目の防衛戦(プロ30戦目)。IBF12位の挑戦者スカリーはコネチカット州出身の白人。デビューから連勝だったが、ブレット・ラリー(後、世界挑戦)に判定負け、初黒星。その後、ローカル王座(ミドル級)を獲得。ティム・リトルズ(全米S・ミドル級王座戦)、トニー・ソーントンに二連続判定負け。マイケル・ナンとNABO王座(S・ミドル級)を争って判定負け。実力者には勝てないレベルだが、世界挑戦のチャンス到来。ライプツィヒでの一戦。スカリーはスイッチヒッター。オーソドックスの時は右ストレート、サウスポーの時は右フックに強さ。右パンチを得意としている。マスケは誰が相手でも同じ。ディフェンス、右ジャブ、カウンター。接近戦。ボディ打ち、アッパーにパワーを込めるスカリーだが、ディフェンスされて攻撃が単発に終わる。マスケはこの試合、手数が多い(いつもは「省エネ」なディフェンシブな姿勢だが)。ワンツーからの左フック(アッパー気味)など連打をまとめる。12R終了。判定は3-0。マスケが普段より精力的に手数を出して勝利。しかし、時折強いパンチを見せたが、やっぱりKOするような攻めは無し。スカリーは良いパンチを持っていたが、中途半端にスイッチ。デュラン・ウィリアムスと同様、マスケの防御を崩せるほどのパワーは無かった。その後の二人。スカリーはIBO王座に挑戦してTKO負けするなど敗北多し。マスケは次の試合でWBA王者バージル・ヒルと統一戦を行ったが、2-1で敗北(1996年)。それを最後に引退していたが、負けたのが余程悔しかったのか2007年に復帰してヒルと再戦。これに3-0で勝利して完全に引退した。) 

ヘンリー・マスケ①

デビッド・ベダー戦、イガートン・マーカス戦、グラシアノ・ロッシジャーニ戦(初戦) 

0 件のコメント:

コメントを投稿