2024年1月8日月曜日

「ナチュラルパワー」デニス・アンドリュース「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBC世界L・ヘビー級王者。実力者との対戦。ボビー・チェズ戦、セルヒオ・メラニ戦、ガイ・ウォータース戦を紹介します。

デニス・アンドリュース(イギリス)

身長180cm:オーソドックス(右構え)

デニス・アンドリュース 10R 判定 ボビー・チェズ

「ナチュラルパワー」デニス・アンドリュース「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(L・ヘビー級戦、1988年)

(感想:アンドリュースはガイアナ生まれでイギリス国籍の黒人。勝ったり負けたりのキャリアであったが、英国L・ヘビー級タイトル獲得後、J・B・ウィリアムソンからWBC世界L・ヘビー級タイトルを奪取(アンドリュースは面白い男。このWBC王座に固執。何度も同王座に返り咲き。WBC世界J・フェザー級王座にこだわったダニエル・サラゴサ、WBC世界J・ライト級王座に返り咲いたアズマー・ネルソン、WBC世界クルーザー級王座をまるで「自分のもの」であるかのように何度も奪取したカルロス・デ・レオンも同じパターン)。トニー・シブソンを破って初防衛に成功。しかし、次の挑戦者は強かった。「クロンクジム」のトーマス・ヒットマン・ハーンズ。何度もダウンを喫した末、アンドリュースのTKO負け。ハーンズのテクニックに感動したアンドリュースはクロンクに入門。チェズ戦はクロンクに入門して「心機一転」といった状況で行われた試合。チェズはニュージャージー州出身の白人で、イタリア系とポーランド系の血を引く男。IBF世界L・ヘビー級王座をチャールズ・ウィリアムスに奪われ、これが再起戦となる。アトランチックシティで行われた元世界L・ヘビー級王者対決。クロンクの金色トランクスのアンドリュース(セコンドにはクロンクのエマヌエル・スチュワード)。チェズは水色のキラキラしたトランクス(オシャレでカッコいい)。パワーで勝負のアンドリュース。正確なジャブ、伸びる右ストレート、振りが大きめの左フック。チェズも良い選手。ガードを固めてワンツー、左フック。左フックからの右ストレートといったコンビネーションも打ち方が良い。互いにブロックでディフェンスするが、アンドリュースの伸びのあるパンチがヒット。3R、アンドリュースが強いワンツー、左フック。その後もパワーのアンドリュース、ショートパンチのチェズ、といった展開で10R終了。判定は2-0。個人的には3-0と思ったが、チェズもボディ打ちなど手数を出していた。その後のチェズは苦難。世界L・ヘビー級王座返り咲きならず。階級を上げ、ロバート・ダニエルズからWBA世界クルーザー級王座奪取、二階級制覇。防衛に成功後、ヘビー級でも試合。負けたが、イベンダー・ホリフィールドと対戦できた。) 


デニス・アンドリュース 4R TKO セルヒオ・ダニエル・メラニ

(WBC世界L・ヘビー級タイトル戦、1990年)

「ナチュラルパワー」デニス・アンドリュース「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:アンドリュースがタイトル初防衛。チェズ戦後、決定戦でWBC世界L・ヘビー級王座を奪回したアンドリュース。しかし、オーストラリアのジェフ・ハーディングに敗北、王座陥落。ハーディングに雪辱し、三度目の王座獲得。メラニ戦は初防衛戦となる。メラニはアルゼンチンの選手。二連敗を喫したこともあったが、ローカル王座、WBAの地域王座(いずれもL・ヘビー級)を獲得して、初の世界挑戦のチャンス。英国ケンジントン「ロイヤル・アルバート・ホール」での一戦。年齢差のある二人(アンドリュースは38歳、メラニは28歳)。互いにジャブ、左フック。フットワークを使うメラニ(トランクスは赤だが、ソックスはアルゼンチンカラーの青と白)。ジリジリ距離を詰めるアンドリュース。接近戦。器用さとパワーを見せるアンドリュース。メラニはワンツー、左ボディ、クリンチ。上体が泳ぐようなところがあり、パワーが乗りにくい打ち方。3R、アンドリュースの右ストレートがヒット。メラニはクリンチ。4R、メラニが開始からクリンチ。そしてフットワーク&ジャブ。このラウンド終了後、メラニは棄権。どうやらアゴが割れたらしい(3Rの右が原因?)。アンドリュースがパンチ力で勝利。正確さにはやや欠けるがコブシが強く、ナチュラルなパワーがある。メラニは手数を出していたが、打ち方が残念。その後、メラニは地域王座戦で勝利する活躍を見せたが、バージル・ヒルのWBA王座への挑戦は判定負け。世界王座には手が届かなかった。)


デニス・アンドリュース 12R 判定 ガイ・ウォータース

(WBC世界L・ヘビー級タイトル戦、1991年)

「ナチュラルパワー」デニス・アンドリュース「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:アンドリュースがタイトル防衛。二度目の防衛戦。WBC2位ウォータースはオーストラリアの長身選手(188cm)。ロンドン出身「ウォータース兄弟」の一人。デビュー戦に敗北。以後、オーストラリア王座、英連邦王座(いずれもL・ヘビー級)を獲得するなど無敗。これまでの試合は全て地元。この世界初挑戦も地元。ボクサータイプのウォータース。アップライトスタイルでジャブ、右ストレート。アンドリュースはジャブで前に出るが、ブロックやクリンチされて上手く攻められない。互いに持ち味を発揮。アンドリュースはジャブが正確で、フックにパワー。ウォータースはワンツーからの左フック。ただし、接近戦ではもみ合いが多い。攻める姿勢、パワーでアンドリュース。10Rには右アッパーをクリーンヒット。12R、ウォータースが回転の速いボディ連打。12R終了。両者とも両手を上げて自身の勝利をアピール。判定は3-0。惜しかったウォータース。良いパンチを持っていたが、全般的に受け身。12Rに見せたボディ連打を早い回から使っていれば結果は逆だったかも。その後の二人。ウォータースはWBF王座を獲得したが、メジャー団体の王座挑戦は失敗。アンドリュースは次の試合でハーディング(三度目の対決)に敗北、王座陥落。以後は英国を中心にリングに上がり、クルーザー級で英国王者になった。)

 

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