2024年1月7日日曜日

「ペンサコーラの強打者」ロイ・ジョーンズ・ジュニア②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」 

四階級制覇王者。IBF王座防衛戦。トーマス・テート戦、アントワン・バード戦、メルキ・ソーサ戦(ノンタイトル)を紹介します。

ロイ・ジョーンズ・ジュニア(アメリカ)

身長180cm:オーソドックス(右構え)

ロイ・ジョーンズ・ジュニア 2R TKO トーマス・テート

(IBF世界ミドル級タイトル戦、1994年)

「ペンサコーラの強打者」ロイ・ジョーンズ・ジュニア②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:左フックでテートがダウン

(感想:ジョーンズがタイトル初防衛。これまで25連勝(22KO)のジョーンズ(25歳)。バーナード・ホプキンスとの決定戦で空位のIBF世界ミドル級王座を獲得したが、それから約一年後に初防衛戦。IBF1位の挑戦者テート(28歳)はミシガン州デトロイト出身の黒人で、ニックネームは「ICE-T」。元IBF世界ミドル級王者フランク・テートの弟。デビューから連勝だったが、IBFインターコンティネンタル王座戦で判定負け、初黒星。ジュリアン・ジャクソンのWBC世界ミドル級王座に挑戦した試合も判定負け。WBC米大陸王座(ミドル級)獲得。連勝して、この二度目の世界挑戦。戦績は29勝(21KO)2敗。かつて兄が持っていた王座を奪取できるかどうか? ラスベガス「MGM Grand」での一戦。なぜか犬の首輪をしているジョーンズ(猛犬注意?)。テートのセコンドは経験豊富なエディ・ムスタファ・ムハマド。ガードを上げてジャブで前進するテート。ジョーンズは奔放な動きをしながら右ストレート、左フック、右アッパーで応戦。2R、いきなりの左フックでテートがダウン。立ったがフラつく。セコンドのムハマドが棄権を申し入れて試合終了。ジョーンズがワンパンチで勝利。スケールは違うが、マイク・タイソンがマイケル・スピンクスを1RでKOしたときの衝撃を思い出させるようなノックアウト劇だった。テートはまるで「引き立て役」のような役割。ボクシングが正攻法すぎるうえ、パワーもそこそこ。絶好調のジョーンズの格好のいけにえとなった。その後、テートはWBU王座(S・ミドル級、ミドル級)、北米王座(S・ミドル級)を獲得したが、スベン・オットケのIBF世界S・ミドル級王座に二度挑戦していずれも敗北。メジャー団体の王者にはなれなかった。)

  

ロイ・ジョーンズ・ジュニア 1R TKO アントワン・バード

(IBF世界S・ミドル級タイトル戦、1995年)

「ペンサコーラの強打者」ロイ・ジョーンズ・ジュニア②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:ワンツー、左フックで2度、バードがダウン

(感想:ジョーンズがタイトル初防衛。テート戦後、IBF世界ミドル級王座を返上したジョーンズ。そして、かねてから予想されていたジェームス・トニーとの対戦がIBF世界S・ミドル級王座を懸けて行われ、ジョーンズが判定勝ち、王座奪取、二階級制覇。バードと初防衛戦。これまで26勝(13KO)4敗1分でIBF1位の挑戦者バードはカリフォルニアの黒人で背の高いサウスポー(185cm)。カリフォルニア州王座、全米王座(いずれもS・ミドル級)を獲得したが、リンデル・ホームズのIBF世界S・ミドル級王座への挑戦は判定負け。ティム・リトルズとの全米王座戦にも判定負け。それ以後、連勝して再びIBF世界S・ミドル級王座に挑戦するチャンスを得た。ジョーンズの地元フロリダ州ペンサコーラでの一戦。スーツみたいなデザインのガウンを着て入場のジョーンズ。この日は絶好調。相手を警戒しながら速いワンツー、左フック。右ジャブを出すバードだが、右フックが効いてしまう。ワンツーでバードがダウン。立ったが、ロープ際での左フックで二度目。今度も立ったが、左フックを連続して食らってロープにもたれる体勢になったところでレフェリーストップ。ジョーンズが圧勝。この頃がジョーンズのベスト。動きのスピード、パンチのキレがあった。バードは残念。相手の全盛期に挑戦。右ジャブしか出せず。しかしながら、元々ボクサータイプであまりパワーが無い。この結果は当然だったか。その後もバードはリングへ。ラストファイトはチャールズ・ブルーワーのIBF世界S・ミドル級王座への挑戦。これに3RでTKO負け。同じ王座に三度挑戦したが、ついに勝てなかった。)


ロイ・ジョーンズ・ジュニア 2R TKO メルキ・ソーサ

(L・ヘビー級12回戦、1996年)

「ペンサコーラの強打者」ロイ・ジョーンズ・ジュニア②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:右ストレートでソーサがダウン

(感想:ビニー・パジェンサ、トニー・ソーントンをTKOで下してIBF世界S・ミドル級王座防衛に成功したジョーンズ。ソーサとノンタイトル戦。ソーサはドミニカの選手。ジェームス・トニー、トニー・ソーントン、フランク・ライルズ、マイケル・ナン(WBA世界S・ミドル級王座戦)に敗北。その後、チャールズ・ウィリアムスをKOして北米L・ヘビー級王座を獲得。L・ヘビー級で世界上位にランクされている。ニューヨーク「マジソン・スクエア・ガーデン」での一戦。ヒラヒラが付いた白のトランクスのソーサ。ジャブで接近し、左右フック。体格で押す作戦。ジョーンズはいつもと動きが変わらない。右ストレート、フック、右アッパー。接近戦では互いに左ボディ打ち。左フックを決めたジョーンズ。連打で優勢。2R、右ストレートでソーサがダウン。立ったソーサにジョーンズが速射砲のような連打。レフェリーストップ。ストップに納得できないソーサがレフェリーを突き飛ばす。ソーサ陣営も抗議。しかし、裁定は覆らず。ジョーンズが回転の速いパンチで勝利。ソーサは攻撃の正確さに欠いた。ただ、最後のストップは打ち返さなかったことによるもの。打ち返していれば長い試合になっていたかも。その後の二人。ソーサは北米王座戦で活躍したが、世界挑戦はナン戦のみに終わった。ジョーンズはIBF世界S・ミドル級王座を防衛し、返上。マイク・マッカラムを破ってWBC世界L・ヘビー級王座獲得。初防衛戦でモンテル・グリフィンに失格負けしてWBC世界L・ヘビー級王座から陥落、初黒星。その後も世界L・ヘビー級王座を奪回、獲得するなどの活躍。ジョン・ルイスを判定で下して WBA世界ヘビー級王座獲得。ヘビー級の世界王座を獲得したのは凄いことではあるが、個人的にはジョーンズはスピードがあったS・ミドル級時代がベストと考える。)

ロイ・ジョーンズ・ジュニア①

ホルヘ・バカ戦、パーシー・ハリス戦、グレン・ウォルフ戦、ダニエル・ガルシア戦

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