2024年1月6日土曜日

「ペンサコーラの強打者」ロイ・ジョーンズ・ジュニア①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

四階級制覇王者。ミドル級時代。ホルヘ・バカ戦、パーシー・ハリス戦、グレン・ウォルフ戦、ダニエル・ガルシア戦を紹介します。「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

ロイ・ジョーンズ・ジュニア(アメリカ)

身長180cm:オーソドックス(右構え)

ロイ・ジョーンズ・ジュニア 1R KO ホルヘ・バカ

(J・ミドル級戦、1992年)

「ペンサコーラの強打者」ロイ・ジョーンズ・ジュニア①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:左フックでバカがダウン

(感想:フロリダ州ペンサコーラ出身のジョーンズ。父親もかつてはボクサーで、あのマービン・ハグラーと対戦している(3RでTKO負け)。子供の頃からボクシングに親しみ、アマチュアで優秀な成績。ソウル・オリンピック(1988年)ではライトミドル級で出場したが、決勝戦で負けにされて銀メダル(ソウルで相当悔しい扱いをされたジョーンズ。今となっては笑い話か? それとも未だに頭に来るのだろうか?)。プロ入りして連戦連勝。しかし、父がマネージャーだったため出世が難しい状況に。ボブ・アラムの「トップランク」と契約し、大きなチャンスを得るようになっていく。バカ戦はプロ16戦目、IBFのJ・ミドル級5位。世界ランク上位のバカはメキシカンで元WBC世界ウェルター級王者。ロイド・ハニガンに番狂わせの勝利で世界王座を獲得したが、リターンマッチでKO負け、王座陥落。その再起戦でサイモン・ブラウンのIBF世界ウェルター級王座に挑戦したが、KO負け。ところがクインシー・テーラー(後、WBC世界ミドル級王者に)に二連勝、マーク・ブリーランド(元WBA世界ウェルター級王者)にTKO勝ちで浮上。勢いのある状況でジョーンズと勝負。ニューヨークでの一戦。手数で勝負のバカ。ジャブ、左フックからの右ストレート、左右フック。パワーはあまり無い。ジョーンズは自由奔放な動きで左のテクニック。左ジャブ、左フック連打で応戦。バカのジャブをかわしてジョーンズが強烈な左フック。ダウンしたバカは立てず、KO。ジョーンズが機敏な動きで快勝。パンチの振りは大きいが、キレとパワーがあった。バカは残念ながら力強さは感じられず。しかし、その後も多くの試合。メキシコ王座戦に出場したり、WBC米大陸王座(ウェルター級)を獲得したりといった活躍を見せた。)

  

ロイ・ジョーンズ・ジュニア 4R TKO パーシー・ハリス

(WBC米大陸S・ミドル級王座決定戦、1992年)

「ペンサコーラの強打者」ロイ・ジョーンズ・ジュニア①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:右フックで2度、ハリスがダウン

2R:左フックでハリスがダウン

4R:左フックでハリスがダウン

(感想:ジョーンズがタイトル獲得。連勝を続けるジョーンズ。プロ18戦目ではタフ男ホルヘ・カストロ(後、WBA世界ミドル級王者に。竹原慎二との対戦で有名)に判定勝ち。WBA・WBC・IBF世界ミドル級2位。プロ20戦目で初の王座戦。ハリスはメリーランド州の黒人。アマチュアで活躍。プロ入り後は連勝だったが、バーナード・ホプキンスに判定負け、初黒星。トーマス・テートに勝利してIBFインターコンティネンタル王座(ミドル級)獲得、ラマー・パークスにKO負けしてWBC米大陸王座(ミドル級)獲得ならず。ジョーンズ戦はパークスにKO負けした再起戦となる。アトランチックシティ「Trump Taj Mahal」での一戦(同じ興行にジェームス・トニーも登場。ボブ・アラムは両者を対戦させる計画らしい)。背が高いハリス。ジャブを出すが、キレもパワーもない。そして、いきなりの右フックでハリスがダウン。さらにフックを食った後、右フックで二度目。2Rもジョーンズが快調。右ストレート、左フックを当て、その度にハリスはグラつく。右ストレートからの左フックでハリスがダウン。その後、フラつきながらも打ち返すハリスだが、4Rに左フックでダウン。ダメージ深く、レフェリーに止められた。ジョーンズが相手の隙を突くパンチで勝利。やや攻撃重視でディフェンスなどが試されなかったような気もするが、ハリスにはジョーンズの隙を突く鋭さやパワーは無かった。ハリスはこれが最後の試合に。)


ロイ・ジョーンズ・ジュニア 1R TKO グレン・ウォルフ

(S・ミドル級戦、1993年)

「ペンサコーラの強打者」ロイ・ジョーンズ・ジュニア①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ハリス戦の次の相手は経験者。IBFミドル級7位のウォルフはフロリダの黒人。これまで27勝(24KO)3敗1分。タフネスとパワーが売り物の選手。ジャンフランコ・ロッシのIBF世界J・ミドル級王座に挑戦したときはダウンを奪ったが判定負け。ジェームス・トニーのIBF世界ミドル級王座に挑戦したときも判定負け。腕っぷしは強いが、手数など試合運びに難がある。ジョーンズ戦はトニーに負けた再起戦となる。ラスベガス「シーザース・パレス」での一戦(この日の興行もトニーと共演。トニーがアイラン・バークレーを下してIBF世界S・ミドル級王座獲得、二階級制覇。舞台は整った、といった感じに)。タキシード型のガウンで入場のジョーンズ(なかなかプロらしい個性的な演出)。ゴング。ウォルフがガードを固めてジャブ。ジョーンズは軽快な動き。足で距離を取りながらジャブ、右カウンター、左フック。さらにコブシを軽く回して右フック、接近して回転の速い連打、左ボディ打ち。次第に効いてきたウォルフ。左ボディを食って相手に背を向けたところでレフェリーストップ。ジョーンズの独壇場。相手を寄せ付けなかった。ウォルフは相手のスピードに付いていけず。これが最後の試合となった。)


ロイ・ジョーンズ・ジュニア 6R KO ダニエル・ガルシア

(S・ミドル級戦、1994年)

「ペンサコーラの強打者」ロイ・ジョーンズ・ジュニア①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

6R:左フックでガルシアがダウン

(感想:ウォルフ戦の次の試合でバーナード・ホプキンスと空位のIBF世界ミドル級王座を争い、3-0で勝利したジョーンズ。「負けたのでは?」と言われたほどの接戦だった。その後、ノンタイトル戦が続く。大きな試合をして稼ぎたいジョーンズとしては不満。94年初試合もノンタイトル戦。ガルシアはプエルトリコの選手で、ニックネームは「ポパイ」。これまで25勝(19KO)11敗。デビューから連敗だったが、コツをつかんだか連勝。プエルトリコ王座(ミドル級)、WBAアメリカス王座(ウェルター級)獲得。ヘナロ・レオンと空位のWBO世界ウェルター級王座を懸けた試合では1RでKO負け。再起戦でグレン・ウォルフにTKO負け。このところクリス・ピアット、ラマー・パークス、ジェームス・トニーらを相手に連敗中。ジョーンズの地元ペンサコーラでの一戦。ガルシアがアーミースタイルのトランクス。エドウィン・ロサリオのように足でリズムを取りながらジャブ、右ストレート、左フックをロングで使う。ジョーンズは好調。距離を取りながらジャブ、ガードの隙間を打ち抜く右ストレート、パワフルな右フックからの左フックコンビネーション、左ボディ打ち。勢い、手数でジョーンズ優勢。ガルシアは手が出ない。6R、ジョーンズの右がヒット。6R終了間際、左フックでガルシアがダウン。10カウント。ジョーンズがテンポ良く強打を打ち込んで圧勝。ガルシアは試合前、ジョーンズをけなしていたが、圧倒されてどんな気分になっただろう? その後、ガルシアは北米ミドル級王座戦などに出場したが、多くの敗北。都合のいい「かませ犬」のようなポジションでキャリアを終えた。)

ロイ・ジョーンズ・ジュニア② 

トーマス・テート戦、アントワン・バード戦、メルキ・ソーサ戦 

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