2024年1月30日火曜日

「シャープな強打」トレイシー・ハリス・パターソン②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界J・フェザー、J・ライト級王者。世界前哨戦&世界戦。アンヘル・マヨール戦、リチャード・デュラン戦ほかを紹介します。

トレイシー・ハリス・パターソン(アメリカ)

身長166cm:オーソドックス(右構え)

トレイシー・ハリス・パターソン 1R TKO アンヘル・マヨール

(フェザー級戦、1992年)

「シャープな強打」トレイシー・ハリス・パターソン②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:左フック、右ストレート、左フックで3度、マヨールがダウン

(感想:世界王座を目指すパターソン。これまで43勝(32KO)2敗。マヨールはベネズエラの選手で23勝(8KO)6敗2分。1980年にデビューのベテラン。エウセビオ・ベドロサのWBA世界フェザー級王座に挑戦して判定負け。バーナード・テーラーにTKO負け。マウリシオ・ステッカのWBO世界フェザー級王座に挑戦してTKO負け。大きな試合を落としてきた。ニューヨークでの一戦。左を器用に使うマヨール。距離を取りながら伸びのある左ジャブ、ショートの左フック。アッパー気味の右フックも良い。パターソンは速いジャブ、得意の左フックでボディ打ち。いきなりの左フックでマヨールがダウン。立ったが、今度は連打からの右ストレートで二度目。最後は左フックで倒れ、レフェリーストップ。パターソンが圧勝。この選手はパンチの打ち方が実に素晴らしい。マヨールは相手が絶好調だった不運。それに加え、打たれたときの衰えがあった。これが最後の試合に。) 


トレイシー・ハリス・パターソン 12R 判定 リチャード・デュラン

(WBC世界J・フェザー級タイトル戦、1994年)

「シャープな強打」トレイシー・ハリス・パターソン②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:パターソンがタイトル防衛。マヨール戦の次の試合でフランスのシェリー・ヤコブを2Rで仕留めてWBC世界J・フェザー級王者になったパターソン。初防衛戦はダニエル・サラゴサと引き分け。ジェシー・ベナビデス、サラゴサ(再戦)に勝利して防衛。デュランと四度目の防衛戦。WBC7位の挑戦者デュランはカリフォルニア州サクラメント出身。これまで27勝(13KO)1敗。デビューから連戦連勝。ケネディ・マッキニーのIBF世界J・フェザー級王座に挑戦して判定負け、初黒星。再起戦に勝利してこの二度目の世界挑戦。ネバダ州リノでの一戦(レフェリーはミルズ・レーン)。ガードを上げてジャブを連打するパターソン。踏み込んで右ストレート。デュランはジャブ、右ストレート、左フックを基本とし、左フックからの右ストレートといったコンビネーションを時折まとめる。パンチにキレがあるパターソンだが左フックのボディ打ちがローブローとなり、レフェリーから再三警告。4Rに左フックを決めたデュラン。パンチ自体は悪くはないが慎重な試合ぶりで、どこか受け身。手数でパターソン。10R、パターソンのジャブでデュランのマウスピースが落下。全般的にパターソンがジャブで先手を取る形で12R終了。判定は3-0。デュランは残念。もっと攻める意志を持つべきだった。特に打たれ弱いといった弱点が無いのにもったいない負け方。さらに次の試合にも敗北して引退。その後はトレーナーに。2011年、発作で死去(44歳)。)


その後のパターソン

五度目の防衛戦でエクトール・アセロ・サンチェス(ドミニカ)に2-1の判定負け、王座陥落。フェザー級を飛ばしてエディ・ホプソンからIBF世界J・ライト級王座獲得。しかし、アルツロ・ガッティに判定負けで初防衛ならず。ガッティと同王座を懸けて再戦したが、またしても判定負け。その後、連勝でIBA王座に挑戦。   


グレゴリオ・ゴーヨ・バルガス 6R TKO トレイシー・ハリス・パターソン

(IBA J・ライト級王座決定戦、1998年)

「シャープな強打」トレイシー・ハリス・パターソン②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:バルガスがタイトル獲得。これまで61勝(43KO)5敗1分のパターソン。37勝(27KO)6敗1分のバルガスはメキシカンで元WBC世界フェザー級王者。WBC王座を初防衛戦で失った後、IBF世界J・ライト級王座に挑戦したが、獲れず。その後はノンタイトル戦が続いている。テキサス州サンアントニオでの一戦。共にジャブを連打、ディフェンス。パターソンはワンツー。バルガスは右ストレートからの左ジャブといったテクニック、左フックのダブルなどのコンビネーション。2R、左フックを食ってパターソンがピンチ。さらにキズのドクターチェック。その後もバルガスが執拗な左パンチで優勢。メキシカンらしい左ボディ打ちにはパワー。5R、パターソンがさらに打たれ、左目の腫れが悪化。6R、劣勢のパターソンを見てレフェリーは試合を止めた。バルガスが左で勝利。パターソンには打たれ弱さがあった。しかしながら、「全盛期を過ぎた状態での負け」は敗北の内に入らない。その後の二人。バルガスは多くの地域王座戦、マイナー王座戦に出場。ただ、フロイド・メイウェザー・ジュニアのWBC世界J・ライト級王座に挑戦したときは判定負け。メジャー団体の世界王座に返り咲きならず。パターソンはジュニア・ジョーンズ、スコット・ハリソンに敗北。王座戦はバルガス戦が最後に。パワーはあったが、やや小柄だったパターソン。J・フェザー級時代のキレのある動きをしていたときが彼のベスト。2014年にはニューヨーク州のボクシング殿堂入りを果たした。)

トレイシー・ハリス・パターソン①

フレッデリック・リード・ホール戦、アルベルト・レンドン戦、フェルナンド・ラモス戦

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