2024年1月12日金曜日

「メキシコの剛腕」ルペ・アキノ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBC世界J・ミドル級王者。ロイヤン・ハモンド戦(北米王座戦)、ピピノ・クエバス戦、エリベルト・バルデス戦を紹介します。

ルペ・アキノ(メキシコ)

身長170cm:オーソドックス(右構え)

ルペ・アキノ 12R 判定 ロイヤン・ハモンド

(北米J・ミドル級王座決定戦、1988年)

「メキシコの剛腕」ルペ・アキノ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:右フック、左フックで2度、ハモンドがダウン

5R:連打でハモンドがダウン

10R:連打でハモンドがダウン

(感想:アキノがタイトル獲得。左フックが武器だったアキノ。アマチュアでは全勝だったとか。プロではアメリカを主戦場に快調(デビュー戦はロサンゼルス「オリンピック・オーディトリアム」)。連勝後、判定で初黒星。マーロン・スターリングの全米・北米ウェルター級王座に挑戦して判定負け。タフだが、テクニックのある相手には苦戦。その後、連勝してデビー・ムーア(日本で三原正をKOしてWBA世界J・ミドル級タイトルをアメリカに持ち去った男)に勝利。デュアン・トーマスからWBC世界J・ミドル級王座奪取。初防衛戦でジャンフランコ・ロッシに敗北。再起戦でドナルド・カリーに敗北。元世界王者ミルトン・マクローリーに勝利。このところ大きな試合、名のある相手との試合が続いている状況で北米王座戦。ハモンドはカリフォルニアの選手。中堅どころを相手にデビューから16連勝(7KO)。直前の試合ではルイス・サンタナ(後、テリー・ノリスから反則勝ちで世界王座奪取)に判定勝ち。ラスベガス「シーザース・パレス」での一戦(ゴング前、IBF世界J・ミドル級王者マシュー・ヒルトンが両選手激励、TV解説席へ)。試合経験で大きく上回るアキノ(32勝(22KO)4敗1分)。左フック連打、ワンツーで1Rから優勢。ハモンドはやや線が細く、相手に押される。そして二度のダウン。3R、サウスポーにスイッチするアキノ。右ジャブを出すが、それほど効果はない。ハモンドの右カウンターがヒット。その後も攻めるアキノ。ハモンドは距離を取って右カウンター、左フックで応戦。5R、ジャブ、ストレート連打でハモンドがダウン。早い回に終わるかと思われたが、なかなかしぶといハモンド。足とクリンチを使いながら打ち返す。アキノは攻めながらもディフェンスはしっかり。10R、連打でハモンドがダウン。両者スタミナ不足の雰囲気で12R終了。判定は大差の3-0。アキノが攻めの姿勢で勝利。この試合にアキノという選手の特徴が。良いパンチを打ち、ダウンさせるパワー。しかし、やや攻めが同じパターン。倒せずに判定まで行くことも。ハモンドはよく粘ったがそこまで。しかし、その後はどうしたことか負けてばかり。アキノと再戦したが、KO負けだった。) 


ルペ・アキノ 2R TKO ピピノ・クエバス

(ミドル級戦、1989年)

「メキシコの剛腕」ルペ・アキノ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:連打で2度、クエバスがダウン

(感想:ハモンド戦の次の試合でジョン・デビッド・ジャクソンと初代WBO世界J・ミドル級王座を懸けて戦ったアキノだが、敗北。以後、連勝でクエバス戦。クエバスは元WBA世界ウェルター級王者。「アゴ割りパンチ」と呼ばれたのは昔のことで、1980年にトーマス・ハーンズにKOされてからは敗北が目立つ。メキシコ・ティファナでの一戦。いつものように攻めるアキノ。ジャブ、右ストレート、フック連打。クエバスはショートで左フックを使い、かつてのような豪快さが無い。攻めの姿勢でアキノ優勢。2R、攻められて後退するクエバス。連打でダウン。立ったが、さらに連打で今度はうつぶせにダウン(ハーンズ戦の時のような倒れ方)。レフェリーは直ちに試合を止めた。アキノが圧勝。しかし、あまり意味のない試合。これが最後の試合となったクエバスにはかなりの衰えがあった。)  


ルペ・アキノ 2R KO エリベルト・バルデス

(J・ミドル級戦、1993年)

「メキシコの剛腕」ルペ・アキノ「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:連打、左ボディで3度、バルデスがダウン

(感想:クエバス戦後、好調のアキノ(29歳)。これまで41勝(30KO)5敗2分。バルデス(24歳)はアリゾナの選手でTV画面には「17勝(8KO)7敗1分」。「BOXREC」の記録ではろくに勝ち星が無い。ポール・ベイデン(後の世界王者)、オバ・カーらに敗北してきた。カリフォルニア州サンディエゴ「スポーツアリーナ」での一戦。ワンツー、フックで攻めるアキノ。バルデスは押され気味で足を使って距離を取ろうとする。ジャブが正確なアキノ。2Rに連打でダウンを奪う。最後はワンツーからの左フックでKO勝利。ふがいない相手だったが、アキノのコンディションは良さそうだった。その後も多くの試合をしたアキノ。しかし、再びWBO王座を狙ったがバーノ・フィリップスに敗れ、世界王座返り咲きならず。トップクラスには敵わなかったが、中堅どころにはエラい強い「壁」のような存在だった。)

 

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