2024年1月10日水曜日

「プリンス」チャールズ・ウィリアムス②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

IBF世界L・ヘビー級王者。IBF王座防衛戦。ボビー・チェズ戦(再戦)、フランキー・スウィンデル戦ほかを紹介します。

チャールズ・ウィリアムス(アメリカ)

身長188cm:オーソドックス(右構え)

チャールズ・ウィリアムス 11R TKO ボビー・チェズ

(IBF世界L・ヘビー級タイトル戦、1989年)

「プリンス」チャールズ・ウィリアムス②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

8R:右ストレート、左フックで2度、チェズがダウン

(感想:ウィリアムスがタイトル防衛。ルフィーノ・アングロとの二度目の防衛戦に勝利したウィリアムス。その後、ベテランのジョニー・デービスをノンタイトル戦でKO。そして、前王者と三度目の防衛戦。チェズはニュージャージー州出身の白人。器用なタイプで、正確な攻撃が売り物のファイター。王座奪回なるか? アトランチックシティ「コンベンションセンター」での一戦(リングサイドではドン・キング、マイク・タイソンが観戦)。共に27歳。開始から接近戦での打ち合い。右ストレート、左右フック、ボディ打ち。ウィリアムスがディフェンス、伸びのあるジャブ、インサイドからのアッパー、ボディ打ち。チェズは右ストレート、左フック。ひたすら打ち合いが続く中、8Rにウィリアムスの強烈な右パンチ。そして右ストレートでチェズがダウン。 立ったが、左フックで二度目。その後も打ち合いに応じるチェズだが、酷く打たれて左目が腫れていく。10R終了後、チェズが棄権。目の腫れが原因と思われる。ウィリアムスが勝利。ジャブが効果的だった。チェズも悪くはなかったが、「パンチの伸び」という点で不利だった。その後、チェズは階級を上げ、ロバート・ダニエルズからWBA世界クルーザー級王座奪取。防衛にも成功。ヘビー級にも挑戦し、勝てなかったがイベンダー・ホリフィールドと対戦できた。)   


チャールズ・ウィリアムス 9R TKO フランキー・スウィンデル

(IBF世界L・ヘビー級タイトル戦、1990年)

「プリンス」チャールズ・ウィリアムス②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

8R:右ストレートでスウィンデルがダウン

(感想:ウィリアムスがタイトル防衛。これまで27勝(19KO)4敗2分のウィリアムス。四度目の防衛戦。19勝(14KO)3敗1分のスウィンデルはノースカロライナ出身のタフ男。全米王座(L・ヘビー級)を獲得したが。マイケル・モーラーのWBO王座への挑戦はTKO負け。その後、三連勝でこの二度目の世界挑戦。これまでウィリアムスの世界戦の相手は白人選手ばかり。今回が初めての黒人チャレンジャー。肌の色は関係ないと思うが、黒人には白人にない特徴もある。アトランチックシティでの一戦。快調な動きのウィリアムス。いつものように足でリズムを取りながらジャブ連打、ワンツー、左フック。スウィンデルはフックを強く打ち、クロス気味に右ストレートを使う。接近戦では共にパワフル。ウィリアムスが十八番の右アッパー、スウィンデルはフック連打。激しい打ち合いが続く(それにしても勇敢なウィリアムス。当時のライバル王者バージル・ヒルはリスクを避けるアウトボクシングだったが、ウィリアムスはよく打ち合う。強打に自信があるのだろう。かつての名王者マシュー・サアド・ムハマドを思い出す試合ぶり)。ジャブ連打、ワンツーなど手数でウィリアムスが優勢。スウィンデルは強いパンチを持っているが、自分から試合の流れを作れない欠点がある。5Rに見せ場。ウィリアムスが左フック連打、右アッパー連発。スウィンデルは単発ながら強烈な左フックをクリーンヒット。8R、右ストレートでスウィンデルがダウン。立ったが、ラウンド終了間際にも打たれる。このラウンド終了後、スウィンデルは棄権。ウィリアムスがパワー&ディフェンスで勝利。ジャブが有効だった。スウィンデルは攻めが単発。結局、これが最後の世界挑戦に。しかし、その後も多くの試合。勝てなかったがモーラーと再戦するなどヘビー級でも頑張った。) 


チャールズ・ウィリアムス 12R 判定 ムウェフ・ベヤ

(IBF世界L・ヘビー級タイトル戦、1991年)

「プリンス」チャールズ・ウィリアムス②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:ウィリアムスがタイトル防衛。五度目の防衛戦。挑戦者ベヤはコンゴ民主共和国出身の黒人で、国籍はイタリア。スラニ・マリンガに敗れるなど勝ったり負けたりだったが、イタリア王座(L・ヘビー級)獲得。後の世界王者マウロ・ガルバノ相手に防衛成功。そして、この初の世界挑戦。イタリア・サン=ヴァンサンでの一戦(レフェリーはアメリカのフランク・カプチーノ)。開始から好戦的なウィリアムス。ジャブ連打、ワンツー、左フック。長身のベヤはやはりアウトボクサー。距離を取って戦いたいところであるが、攻められて応戦に精一杯。左フックで応戦するが単発で、相手を倒せるような攻撃ではない。しかしながら、ウィリアムス。攻め一辺倒で疲れたか、クリンチも。ベヤはジャブをクリーンヒットさせるシーンもあるが(6Rほか)、全体的に押され気味。攻めるウィリアムス、アウトボクシングのベヤ、といったパターンで12R終了。判定は3-0。ただ、2ポイント差のジャッジも(ベヤのアウトボクシングを評価したようだ)。ウィリアムスが攻めの姿勢で勝利。途中、スローダウンしたが、その後はジャブで相手を追い込んだ。ベヤは悪くないが、いかにもヨーロッパ系のアウトボクシング。仮に世界王者になったとしてもアメリカでは人気が出ないだろう。その後、ベヤはイタリア王座(S・ミドル級)を獲得し、連続防衛。しかし、ダリウス・ミハエルゾウスキーらに敗れて二度目の世界挑戦のチャンスは無かった。)


チャールズ・ウィリアムス 3R KO ビンセント・ボウルウェア

(IBF世界L・ヘビー級タイトル戦、1991年)

「プリンス」チャールズ・ウィリアムス②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

3R:右ストレート、左フックで2度、ボウルウェアがダウン

(感想:ウィリアムスがタイトル防衛。ジェームス・キンチェンを2Rで仕留めて六度目の防衛に成功したウィリアムス(キンチェンは元々ミドル級の選手。ウィリアムスとは体格差があった)。七度目の防衛戦はヨーロッパ(ウィリアムスは欧州での試合が多い。人気があるのだろうか?)。IBF5位の挑戦者ボウルウェアはペンシルベニア州出身の黒人。アマチュアで活躍後、プロへ。いつのことかは不明だが、ジョージ・フォアマン、レノックス・ルイスのスパーリングパートナーを務めたことも。デビューから連勝だったが、KOで初黒星。その後、グラシアノ・ロッシジャーニ(IBF世界S・ミドル級王座戦)、スラニ・マリンガに敗北。全米王座(L・ヘビー級)への挑戦はノーコンテスト。三連勝で、この二度目の世界挑戦。イタリア・サンレモでの一戦(リングが低め。TV局のスタジオのような感じの会場)。いつものように攻めるウィリアムス。ボウルウェアは距離を取ってジャブ、ワンツーで応戦。接近戦を仕掛けるウィリアムス。ボウルウェアは仕方なく打ち合いに応じる。我慢比べのような打撃戦。ウィリアムスは右ストレート、左ボディ打ち、右アッパー、ボウルウェアは左フックにパワー。3R、右ストレートでボウルウェアがダウン。立ったが、今度は強烈な右ストレートからの左フックで二度目のダウン。立てず、10カウント。ウィリアムスが打ち合いを制し、王座防衛。ボウルウェアは接近戦は得意ではなさそうな雰囲気があった。その後の二人。ボウルウェアはアルフレド・コールのIBF世界クルーザー級王座に挑戦したが、勝てず。引退後、事件を起こして逮捕(しかし、無罪に)。健康状態が悪化し、2016年に52歳で死去。ウィリアムスは次の防衛戦でフレディ・デルガドに圧勝。しかし、九度目の防衛戦でドイツのヘンリー・マスケに敗北、王座陥落。階級を下げてジェームス・トニーのIBF世界S・ミドル級王座に挑戦したが、コンディション調整の問題もありKO負け。IBF世界L・ヘビー級王座を獲ったあたりのスピードがあった頃が彼のベストだった。) 

チャールズ・ウィリアムス①

アンソニー・ウィザスプーン戦、マービン・ジョンソン戦、リチャード・カラマノリス戦、ルフィーノ・アングロ戦

0 件のコメント:

コメントを投稿