2023年12月21日木曜日

「荒っぽい左強打」フリオ・セサール・バスケス①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

WBA世界J・ミドル級王者。世界王座防衛戦。ファン・ラモン・メディナ・パディージャ戦、ロナルド・ライト戦ほかを紹介します。

フリオ・セサール・バスケス(アルゼンチン)

身長179cm:サウスポー

フリオ・セサール・バスケス 3R TKO アマウリ・モゲア

(ミドル級戦、1993年)

「荒っぽい左強打」フリオ・セサール・バスケス①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

3R:左フック、連打で2度、モゲアがダウン

(感想:アルゼンチンの怪力サウスポー、バスケス。アマチュアでは無敗だったという。プロ転向。連戦連勝だったが、後に世界J・ミドル級王者になるバーノ・フィリップスに反則負け。プロ41戦目で上山仁と空位のWBA世界J・ミドル級王座決定戦。これに1Rで勝利し、王座獲得。初防衛戦の相手はパナマのアキリノ・アスプリーリャ。ロープにもたれる体勢になったアスプリーリャに容赦なく左パンチを打ち込んで1RでKO防衛。その次の試合はノンタイトル戦。モゲアはコロンビア王座(ウェルター級)を獲得しているが、アスプリーリャに判定負けしている黒人選手。どんな動きを見せるか? フランスでの一戦。共にサウスポー。足で距離を取って右ジャブ、ワンツーを出すモゲア。バスケスは得意の左ストレートで相手を追う。バスケスの強打を巧くかわすモゲアだが、パンチは軽めでバスケスを倒せそうにない。3R、コーナー付近にモゲアを追い込んでバスケスが凶暴な左フック連発。ダウンから立ったモゲアだが、フラついている。さらに連打で二度目のダウン。レフェリー(スティーブ・スモーガー)は直ちに試合を止めた。バスケスが腕力で圧勝。逃げる相手を強引に仕留めた。ただ、左パンチを打った後にフォローのパンチが無いなど一本調子の攻めだった印象も。)


フリオ・セサール・バスケス 12R 判定 ファン・ラモン・メディナ・パディージャ

(WBA世界J・ミドル級タイトル戦、1994年)

「荒っぽい左強打」フリオ・セサール・バスケス①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

1R:左ストレート、左フックで2度、パディージャがダウン

2R:左ストレートでパディージャがダウン

3R:左フックでパディージャがダウン

4R:右フックでパディージャがダウン

11R:左フックで2度、パディージャがダウン

(感想:バスケスがタイトル防衛。五度目の防衛戦。世界戦で連続1ラウンドKO勝利だったバスケスだが、その後は三連続判定防衛。相手はハビエル・カスティリェホ、アーロン・デービスといった実力者だったため判定勝利だからといって評価を下げるわけにはいかないが、バスケスはパワーが売り物。KO防衛でなかったのは少し残念なところ。WBA9位の挑戦者パディージャは無敗のドミニカ人。スペイン在住で、これまでの試合は全てスペイン。IBFインターコンティネンタル王座(ミドル級)を獲得した実績。カザフスタン・アルマトゥイでの一戦。鍛えられた身体をしているパディージャ。背中の筋肉が凄い。ジャブ、右ストレート、左フックの基本的なスタイル。左パンチを狙うバスケスが1Rからダウンを奪う。2R、3R、4Rにも左パンチでダウンを奪う。しかしながら、一発で倒すダウンで、パディージャはその度に立ち上がり、反撃。距離を取ってワンツー、ディフェンス(ブロック、スウェー、クリンチ)。バスケスは左を狙うが、パディージャはそのパターンに次第に慣れていく。11R、パディージャが左フックで二度ダウン。立ち上がり、ワンツーで反撃。12R終了。判定は大差の3-0(ジャッジの一人は17ポイント差を付けた)。バスケスがまたしても判定防衛。左パンチの強さは相変わらずだったが、左狙いを読まれて相手を仕留めることができなかった。パディージャはワンツーを主に使ったが、腰が引けたパンチでバスケスを倒せるような攻撃ではなかった。その後、パディージャは勝ったり負けたり。連勝してWBO王座(ミドル級)に挑戦したが、判定負け。世界王者にはなれず。引退後の2003年、自動車事故で死去。33歳だった。)


フリオ・セサール・バスケス 12R 判定 リカルド・ヌネス

(WBA世界J・ミドル級タイトル戦、1994年)

「荒っぽい左強打」フリオ・セサール・バスケス①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

3R:左フックでヌネスがダウン

9R:右ジャブでヌネスがダウン

(感想:バスケスがタイトル防衛。ラスベガス「MGM Grand」でアルマン・ピカルを2RでKOして六度目の防衛に成功したバスケス。そしてプロ50戦目であり、七度目の防衛戦になるヌネス戦は地元。WBA12位の挑戦者ヌネスもアルゼンチン。デビューから好調だったが、判定で初黒星。トニー・コリンズとWBCインター王座(J・ミドル級)を争ったが、二連敗。実力者セグンド・メルカド、バーノ・フィリップスにも敵わず。南米ミドル級王座を獲得、連勝でこのバスケスへのチャンスを得た。アルゼンチンでの一戦。ダッキングしながら右ストレート、フックで攻めるヌネス。右ストレートからの左ジャブ、斜め下からの左フックといったテクニックを見せる。バスケスはいつも同じ。右ジャブ&左ストレート。当てる巧さを見せるヌネスだが、相手をKOするような打ち方ではない。3R、左フックでヌネスがダウン。その後もバスケスがジャブで先手を取り、パワーで優勢。9R、タイミングのいい右ジャブでヌネスがダウン。その後も同じパターンで12R終了。判定は3-0。バスケスを倒すにはパワーと思い切った攻めが必要。ヌネスは器用に立ち回ったが、そこまでだった。その後、ヌネスはWBAの地域王座(ミドル級)を獲得する活躍もあったが勝ったり負けたり。メジャー団体の世界王座挑戦はバスケス戦のみに終わった。) 


フリオ・セサール・バスケス 12R 判定 ロナルド・ライト

(WBA世界J・ミドル級タイトル戦、1994年)

「荒っぽい左強打」フリオ・セサール・バスケス①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:左フックでライトがダウン

7R:左ストレートでライトがダウン

9R:連打でライトがダウン

12R:連打、右フックで2度、ライトがダウン

(感想:バスケスがタイトル防衛。ロシアのアーマット・ドーチェフをKOして八度目の防衛に成功したバスケス。九度目の防衛戦の相手はテクニシャン。WBA1位の挑戦者ライトはワシントンD.C.出身。フロリダ州でプロデビュー。これまで全勝。このところフランスが主戦場。フランスでの一戦。共にサウスポー。なかなか力強いライト。正確な右ジャブ、そして左ストレート、右フック。バスケスの強打をディフェンス。しかし、2Rに大きな動き。右フックでバスケスがダウン。しかし、レフェリーはこれをダウン扱いせず(パンチが当たったように見えたがダウンではなかったのかもしれない)。左フックでライトがダウン。その後、接近戦。両者一歩も引かず打ち合う。ライトにとってはこれが裏目に。バスケスが左のパワーを見せる。5R、ライトが左ストレートをヒットさせるが、7Rには逆に左ストレートでダウン。9R、左パンチをキッカケに連打でライトがダウン。かなり効いていたが、何とか続行。12Rにも左パンチからの連打、右フックでライトが二度ダウン。12R終了。判定は当然ながら3-0。しかし、三人のジャッジはわずか3~5ポイント差。確かにライトのジャブには正確さがあったが、バスケスの左ストレートの方が強かったように映像では見えた。その後、ライトはWBO次いでIBF王座を獲得。ミドル級の世界王座は獲れなかったが、J・ミドル級で長らく活躍。バスケスにとってこのライト戦での勝利はキャリアで最も大きいものだった。)

フリオ・セサール・バスケス②

カール・ダニエルズ戦、ローレン・ブドアニ戦、ラウル・セナ戦、ロビン・リード戦 

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