2023年12月19日火曜日

「小柄なテクニシャン」ジェームス・マクガート②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

世界J・ウェルター、ウェルター級王者。二階級制覇を目指す。サイモン・ブラウン戦、パトリツィオ・オリバ戦ほかを紹介します。

ジェームス・マクガート(アメリカ)

身長169cm:オーソドックス(右構え)

ジェームス・マクガート 5R TKO オルランド・オロスコ

(J・ミドル級戦、1989年)

「小柄なテクニシャン」ジェームス・マクガート②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

5R:右フックでオロスコがダウン

(感想:メルドリック・テーラーにIBF世界J・ウェルター級王座を奪われたマクガート。再起後、三連勝でこれまで41勝(34KO)2敗1分。オロスコはベネズエラの選手で、15勝(7KO)12敗2分。ベネズエラ王座(J・ウェルター級)、WBCインター王座(ウェルター級)を獲得しているが、勝ったり負けたりでこのところ連敗中。ニューヨークでの一戦(会場ではマクガートの息子(?)が観戦)。リズミカルな動きからジャブを飛ばすマクガート。オロスコは長いジャブ、ストレート、振りが大きめのフック。攻めるときのディフェンスに隙がある。マクガートが右ストレート、左フックを当て、相手の攻撃をディフェンス。追い込まれるオロスコ。5R開始早々、右フックで前のめりにダウン。立ったがダメージ深く、レフェリーに止められた。マクガートが相手の隙を突くパンチで快勝。オロスコは弱い選手ではなかったが、マクガートのパンチはシャープだった。その後、オロスコはジルベール・デレ、ロナルド・ライトらを相手に連敗し、勝ち星無しでキャリアを終えた。)


ジェームス・マクガート 2R TKO トミー・エイヤーズ

(ウェルター級戦、1990年)

「小柄なテクニシャン」ジェームス・マクガート②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:ワンツーでエイヤーズがダウン

(感想:連勝を重ねるマクガート(26歳)が経験者と対戦。エイヤーズはオハイオ州の黒人。27歳のベテランで、これまで38勝(32KO)2敗。デビューから連勝だったが、マーロン・スターリングとの北米王座(ウェルター級)、全米王座を懸けたダブルタイトル戦に2-0で判定負け、初黒星。その後、北米ウェルター級王座を獲得したが、全米王座戦に敗北、ブランク。カムバック後、連勝中。アトランチックシティ「Trump Castle」での一戦。ややアップライトな姿勢からガードを上げてジャブを飛ばすエイヤーズ。攻めの姿勢でワンツー、左フック、ボディ打ち。マクガートは距離を取ってジャブ、右カウンター、左フック。左ボディ打ちに良いものがあるエイヤーズだが、マクガートは巧くディフェンスして正確なパンチ。2R、ワンツー(左ジャブからの右フック)でエイヤーズがダウン。立ったが、コーナーに追い込まれる。マクガートが右ストレート、左右フックの嵐。レフェリー(スティーブ・スモーガー)は試合を止めた。マクガートが圧勝。この試合でもパンチのキレ、相手の隙を突く鋭さがあった。ロングパンチが多かったエイヤーズは隙が大きかった。次の試合もKO負けに終わり、引退。)


ジェームス・マクガート 12R 判定 サイモン・ブラウン

(WBC世界ウェルター級タイトル戦、1991年)

「小柄なテクニシャン」ジェームス・マクガート②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

10R:左フックでブラウンがダウン

(感想:マクガートが二階級制覇。1988年にメルドリック・テーラーに敗れてIBF世界J・ウェルター級王座を失ったマクガート。再起して連勝。1991年になってようやく二階級制覇挑戦のチャンス到来。王者ブラウンはジャマイカ出身の黒人で恐るべきパワーファイター。比較的ゆっくりした動きから伸びとパワーのあるパンチを豪快に振るって相手をKOするのがパターン。IBF王者だったが、盟友モーリス・ブロッカーを破ってWBC王座も獲得。IBFを返上し、WBC王座の初防衛戦。ラスベガス「Mirage」で行われた一戦。パワーで勝るブラウンがジャブで前に出る。マクガートはフットワークを使ってジャブ、連打で応戦。ガードの隙を突く鋭いジャブ、ワンツー。追い掛けるブラウンだが、マクガートを捕らえることができず。10R、キレイな左フックでブラウンがダウン。12R終了。判定は3-0。マクガートが器用さで勝利。ブラウンはパワーで上回っていたが、敗北。「ハグラー vs. レナード」のような雰囲気の試合だった。その後、ブラウンはテリー・ノリスをKOしてWBC世界J・ミドル級王座獲得、二階級制覇(1993年)。その王座はリターンマッチで取り返されてしまったが、その後も強打を振るい続けた。)


ジェームス・マクガート 7R TKO デルフィノ・マリン

(J・ミドル級戦、1992年)

「小柄なテクニシャン」ジェームス・マクガート②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:世界王者になったマクガートだが、試合間隔が空いてノンタイトル戦を行うことに。マリンはこれまで13勝(7KO)11敗。デビューから連勝でフロリダ州王座(ウェルター級)を獲得したが、その後はロイド・ハニガン、クリサント・エスパニャらを相手に負けが多い。テキサス州フォートワースでの一戦。ジャブ、右ストレート、接近戦では左フックのマリン。しかし、動きの機敏さに欠ける。マクガートはジャブを出し、いかにも「調整試合」といった動き(それほど激しく攻めない、という意味)。1Rにマクガートは左フックを食うハプニング。しかし、キレのある右ストレート、右フックカウンター、左フック(左ボディからの左フックなど)でマクガート優勢。3R、ローブローでマクガートが減点。7R、マクガートの左ボディ打ちがローブローに。悶絶するマリンを見て、レフェリーは試合を止めた。マクガートがTKO勝ち。本来なら「反則負け」、場合によっては「負傷判定」になるところであったが、ローブローが「有効打」扱いされた(過去にもそういうことがあった。「ローブローで倒れたままの状態」を「戦意喪失」と見なされてTKO負けにされたケース。ただし、今回はそうではない。レフェリーの位置からは「正当なパンチ」に見えたようだ)。マリンは不運だったが、内容では負けていた。その後もマリンはリングに上がり続けたが、負け続けだった。)


ジェームス・マクガート 12R 判定 パトリツィオ・オリバ

(WBC世界ウェルター級タイトル戦、1992年)

「小柄なテクニシャン」ジェームス・マクガート②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:マクガートがタイトル初防衛。WBC2位の挑戦者オリバ(イタリア)はテクニシャンタイプで、元WBA世界J・ウェルター級王者。欧州王座(ウェルター級)を守り続けており、二階級制覇を目指す。ただ、ファン・マルチン・コッジに3RでKOされたことがあり、パワーはそれほどでもない。イタリア・リコラでの一戦(レフェリーはアーサー・マーカンテ)。いかにも「イタリアのボクシング」といった感じのオリバ。アップライトな構えからジャブ、ワンツー。「ワンツーからのジャブ」には相手を寄せ付けない効果。マクガートはいつもと同じように見えるがディフェンスされたり、クリンチされたりしてやりにくそうな動き。接近戦。マクガートはフック、オリバはワンツー、フック。8R、オリバが力強いワンツーをヒットさせる。しかしながら、全体的にオリバは受け身で勝てるような試合運びではない。12R終了。判定は大差の3-0。ただし、オリバの「当てさせないテクニック」は見事なものがあり、「マクガートが圧勝した」という印象はなかった。力強いパンチも打っていたオリバ。もっと積極的に行って欲しかったところ。これが最後の試合に。) 

「小柄なテクニシャン」

ジェームス・マクガート①

フランキー・ウォーレン戦(初戦・再戦)、ソウル・マンビー戦

ジェームス・マクガート③

ヘナロ・レオン戦、パーネル・ウィテカー戦、リビングストン・ブランブル戦、ジョー・ガッティ戦、アンドリュー・カウンシル戦 

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