2023年12月16日土曜日

「典型的なメキシカン」ルイス・ラモン・カンパス①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

IBF世界J・ミドル級王者。ロジャー・ターナー戦、アンソニー・ジョーンズ戦、ホセ・ルイス・ロペス戦を紹介します。

ルイス・ラモン・カンパス(メキシコ)

身長171cm:オーソドックス(右構え)

ルイス・ラモン・カンパス 12R 判定 ロジャー・ターナー

(北米ウェルター級タイトル戦、1992年)

「典型的なメキシカン」ルイス・ラモン・カンパス①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:カンパスがタイトル獲得。「Yori Boy(ヨリボーイ)」と呼ばれたメキシカン、カンパス。「Yori」とは英語で「white」。何が白いのかは知らないが、ジムで名付けられたらしい。1987年に15歳でプロデビュー。以来、連戦連勝(毎月のようにリングに上がり、時には月二回。メキシコや南米の選手は試合数が多いが、よくそんなに対戦相手がいるものだ)。メキシカンらしい左フックを武器にメキシコ王座(ウェルター級)を獲得、防衛。ステップアップして北米王座を狙う。王者ターナーはミシガン州の黒人。アマチュアで活躍後、プロ入り。コチラも全勝。フロイド・メイウェザー(ジュニアの父)に勝利、WBF王座、北米王座(いずれもウェルター級)獲得、といった実績。ラスベガス「シーザース・パレス」での一戦(メインは「イベンダー・ホリフィールド vs. ラリー・ホームズ」の統一世界ヘビー級王座戦。ホリフィールドが判定で王座防衛)。典型的なメキシカンファイターのカンパス。ブロックしながら前進してジャブ、右ストレート、接近して左ボディ打ち。ターナーはアウトボクサー。足で距離を取ってジャブ、右カウンター。右を打つときのバランスが良くない印象。その後も攻めるカンパス、カウンター狙いのターナー。ターナーの右が時折ヒットするが、カンパスはワンツーからの左フック、左ボディ打ちなど手数が多い。12R終了。判定は2-0。最初から最後まで攻めたカンパスが攻勢点で勝利。ターナーは残念。パンチ自体は良かったが、相手をKOするような畳み掛ける攻めが見られなかった。その後、ターナーは北米王座奪回に失敗、フェリックス・トリニダードのIBF世界ウェルター級王座に挑戦してKO負け。世界王座には手が届かなかった。)


ルイス・ラモン・カンパス 2R TKO アンソニー・ジョーンズ

(ウェルター級戦、1995年)

「典型的なメキシカン」ルイス・ラモン・カンパス①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:連打、左フックで2度、ジョーンズがダウン

(感想:ターナー戦後も全勝を守り続けてIBF1位になったカンパス。フェリックス・トリニダードのIBF世界ウェルター級王座に挑戦。左フックでダウンを奪ったが逆に滅多打ちにされて王座獲得ならず。その再起戦でNABO王座(ウェルター級)獲得。ジョーンズとノンタイトル戦。これまで60勝(53KO)1敗でIBF5位。ジョーンズはミシガン州デトロイト出身の黒人(「クロンク」ジムの選手)。37勝(23KO)7敗1分。エドウィン・ロサリオ、パーネル・ウィテカーと世界ライト級王座を争ったが勝てず。階級を上げ、ビンス・フィリップスに勝利、ロジャー・ターナーに勝利して北米ウェルター級王座獲得。ただ、マニング・ギャロウェイとWBOの暫定王座(ウェルター級)を争った試合ではTKO負け。カンパス戦は再起三戦目となる。「シーザース・パレス」での一戦(メインは「イベンダー・ホリフィールド vs. リディック・ボウ」のヘビー級戦。両者にとって三戦目で「決着戦」。ボウがTKO勝ち)。テクニックで勝負するジョーンズ。ジャブ、右ストレート、細かいフック連打。サウスポーにスイッチしたり、右ストレートからの左ジャブといった技を使ったりするが、パワーは感じられない。カンパスは誰が相手でも変わらない。ワンツー、左フック、左ボディ打ち。この試合でも左フックが効果的。2R、連打されてジョーンズがダウン。立ったが、左フックを食って背を向ける体勢になったところに左フックを追撃されてダウン。レフェリー(ミッチ・ハルパーン)は試合を止めた。正確な攻撃でカンパスが快勝。ジョーンズは当てるようなパンチであり、相手を倒せるようなパワーに欠けていた。その後、ジョーンズはジュリアン・ジャクソンをKOしたり、北米J・ミドル級王座を獲得したり。世界王者にはなれなかったが、名のある相手と試合した。)


ホセ・ルイス・ロペス 6R TKO ルイス・ラモン・カンパス

(WBO 世界ウェルター級タイトル戦、1996年)

「典型的なメキシカン」ルイス・ラモン・カンパス①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:左フックでカンパスがダウン

(感想:ロペスがタイトル防衛。カンパスが二度目の世界挑戦。これまで36勝(28KO)3敗1分の王者ロペスはパワーが売り物のメキシカン。メキシコ王座(ウェルター級)を獲得、防衛。1RでのKOでWBO王座獲得。これが初防衛戦となる。ロサンゼルスでのメキシカン対決。ゴング前、リングアナによる選手紹介。カンパスの横には鹿の剥製を被った男。試合開始。似たところがある両者。ガードしながらジャブ、ワンツー、左フック。共に右ストレートに伸びがあり、左の器用さがある。接近戦。アッパー気味の左フックに鋭さがあるロペス。2R、ワンツーからの左フックでカンパスがダウン。ロペスはなかなか優れた選手で、パンチにパワーとキレ、連打には回転力がある。右目を負傷したカンパスは右ストレート、連打で打ち返すが、目を気にする試合ぶり。ロペスがジャブ、アッパーで優勢。5R、左を食ってカンパスが後退。このラウンド終了後に棄権。キズと打たれたダメージが原因と思われる。ロペスがパワフルかつシャープな左で快勝。隙を突く巧さがあった。カンパスは強いが「普通のファイター」。突出した武器を持っていない欠点がある。世界を獲るためには普通に強いだけでは足りない。快勝だったロペスだがその後、どういうわけか王座返上。アイク・クォーティ、ジェームス・ペイジのWBA王座に挑戦して勝てず。カンパス戦が世界戦での最後の勝利に。どうやら「天才ボクサー」にありがちな「気まぐれ」「遊び好き」だったようで、大事な時に遊びで才能を浪費した。) 

ルイス・ラモン・カンパス②

ペドロ・オルテガ戦、ジョン・ダディ戦、マシュー・マックリン戦 

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