2023年11月24日金曜日

「流れる連打」フリオ・セサール・ボルボア②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

IBF世界J・バンタム級王者。世界王座防衛戦。ホルヘ・ルイス・ローマン戦、ハロルド・グレイ戦(初戦・再戦)ほかを紹介します。

フリオ・セサール・ボルボア(メキシコ)

身長177cm(?):オーソドックス(右構え)

フリオ・セサール・ボルボア 4R TKO ホルヘ・ルイス・ローマン

(IBF世界J・バンタム級タイトル戦、1994年)

「流れる連打」フリオ・セサール・ボルボア②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

4R:右ストレートでローマンがダウン

(感想:ボルボアがタイトル防衛。ロバート・キロガから王座を奪ったボルボア(24歳)が四度目の防衛戦。これまで17勝(8KO)9敗2分の挑戦者ローマン(26歳)はメキシカン。あのヒルベルト・ローマンの弟。北米王座、WBCの地域王座(いずれもJ・フライ級)に挑戦して敗北。マイケル・カルバハル、イサイアス・サムディオらに連敗するなど「中堅選手」といったポジション。強打者スコッティ・オルソンを下して世界挑戦のチャンスを得た。カリフォルニア「グレート・ウェスタン・フォーラム」での一戦。両者、ガードを上げてジャブ。1Rから右フックを当てるなどボルボアが当てる巧さを見せる。ローマンは左のテクニックを持っているが、兄ほどパンチの伸びが無く、パワーを込めた打ち方。接近戦。互いに右ストレート、フック。バッティングでローマンが右マブタを負傷。4R、フックを連打するローマンだが、左フックからの右ストレートでダウン。立ち上がり、ドクターチェック。右マブタの出血によりボルボアがTKO勝利。ローマンは力強いパンチを持っており、悪い選手ではなかった。ただ、連打の回転が速いボルボアにとって力むタイプの選手はそれほど脅威ではない。その後、ローマンはオルソンとの再戦に敗れ、以降は全敗でキャリアを終えた。)


フリオ・セサール・ボルボア 9R TKO ジャジ・シバリ

(IBF世界J・バンタム級タイトル戦、1994年)

「流れる連打」フリオ・セサール・ボルボア②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

5R:左フックでシバリがダウン

(感想:ボルボアがタイトル防衛。五度目の防衛戦。挑戦者シバリ(IBF6位)は南アフリカの選手。南アフリカのフライ級、J・バンタム級タイトルをこれまで獲得、防衛。小柄なタフ男ジェイコブ・マトララにも勝利しているが、このところ勝ったり負けたりで安定していないのが気になるところ。南アフリカ・ハマンスクラールでの一戦。ジャブ、ストレートの正直なボクシングをするシバリ。ボルボアはいつもの連打。初回から打ち合い、共にディフェンスするが、ボルボアのパンチが次第に当たるようになっていく。5R、右アッパーからの左フックでシバリがダウン。9R、ボルボアのしつこい連打にシバリがキブアップ。ボルボアが精力的なスタイルで勝利。シバリは後、同王座に再挑戦したが、ダニー・ロメロにKO負けだった。)


ハロルド・グレイ 12R 判定 フリオ・セサール・ボルボア

(IBF世界J・バンタム級タイトル戦、1994年)

「流れる連打」フリオ・セサール・ボルボア②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

7R:左フックでグレイがダウン

(感想:グレイがタイトル獲得。ボルボアの六度目の防衛戦。相手はIBF1位の実力者。コロンビアの挑戦者グレイはこれまで全勝。ほとんどがKO勝ち。しかし、全て地元での試合で、ボルボア戦が初の海外試合となる。カリフォルニア「グレート・ウェスタン・フォーラム」での一戦。慎重に距離を取るグレイ。力強いジャブ、右ストレート、フック。いわゆる「倒し屋」ではなくボクサータイプ。ボルボアはいつものように前進し、当てる巧さを見せる。しかしながら、いつもとは勝手が違う。ジャブが多いグレイ。ブロックで相手の攻撃を阻止するテクニックもある。接近戦。グレイが左右フック連打、ボディアッパー。ボルボアは左ボディ打ちなどを出すが、ブロックされるシーンが目立つ。手数のグレイ、正確さのボルボア。一進一退。7R、左フックでグレイがダウン(レフェリーはこれを「スリップ」扱い。レフェリーの位置からはパンチがよく見えなかったようだ)。その後、グレイは距離を取る(ダウンが効いているようだ)。ボルボアは最終12Rまで一貫して攻めの姿勢。12R終了。共に自身の勝利をアピール。判定は2-1。グレイが手数&ブロックで勝利。最後まで攻めたボルボアも良かったが、パンチ力に差があったのかもしれない。後、両者は再戦する。)


ハロルド・グレイ 12R 判定 フリオ・セサール・ボルボア

(IBF世界J・バンタム級タイトル戦、1995年)

「流れる連打」フリオ・セサール・ボルボア②「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:グレイがタイトル防衛。グレイに王座を奪われたボルボア。再起戦にKO勝ちしてグレイと再戦。王者グレイは二度の防衛に成功したが、いずれも厳しい判定勝ち。コロンビア・カルタヘナでの一戦。基本的には初戦と同じ。互いにジャブ。ボルボアが攻め、グレイは距離を取る。ジャブがシャープなグレイ。接近戦ではフック連打。ボルボアは意表を突くタイミングで右ストレート、フックを当てる。互いにディフェンスができるため、ダウンシーンといった大きな見せ場が無い。足を良く使うグレイ。9R、10Rにスリップダウン。前回同様、一進一退で12R終了。判定はまたしても2-1。グレイが手数で勝利。ボルボアにはパンチの正確さがあったが、相手の物量作戦に負けた。これが最後の試合に(連打を打ち続けるには相当なスタミナが必要。引退を決断するほど消耗が激しかったのだと思われる)。その後のグレイ。カルロス・サラサールに王座を奪われ、奪回。しかし、その次の相手は強かった。ダニー・ロメロに2RでKO負けして王座陥落。)

フリオ・セサール・ボルボア①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

アルフレド・コティ戦、ロバート・キロガ戦、ホルヘ・ルナ・サラテ戦、ローランド・パスクワ戦

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