IBF世界ライト級王者。世界王者になる前のノンタイトル戦。ラリー・オシールズ戦、エマニュエル・オーガスタス戦を紹介します。
レバンダー・ジョンソン(アメリカ)
身長175cm:オーソドックス(右構え)
①レバンダー・ジョンソン 4R TKO ラリー・オシールズ
(ライト級戦、2000年)
(ダウンシーン)
1R:右ストレートでオシールズがスタンディングダウン
4R:連打でオシールズがスタンディングダウン
(感想:ニュージャージー州アトランチックシティ出身の黒人ジョンソン。兄もボクサーだった「ボクシング兄弟」。アマチュアで好成績。プロ入り。よく伸びる素晴らしいパンチを武器にデビューから連勝。後の世界王者シャンバ・ミッチェルもKO。しかし、ミゲル・アンヘル・ゴンザレスのWBC世界ライト級王座に挑戦してTKO負け(1994年)。IBO王座(ライト級)を獲得できたが、オルズベック・ナザロフのWBA世界ライト級王座への挑戦はTKO負け(1997年)。これまで27勝(23KO)2敗1分。世界王座を目指して再起ロード中。オシールズはテキサスの選手。フロイド・メイウェザー・ジュニアに判定負けするなど勝ったり負けたりの中堅どころ。ミシシッピ州ビロクシでの一戦。1R開始から伸びる左ジャブ、右ストレートのジョンソン。オシールズはガードを上げて右ストレート、フック。右ストレートからの左ジャブといったテクニックも披露。右ストレートで「ガクン」となったオシールズがスタンディングカウントを取られる。その後もジョンソンが右ストレートからの左フックなど離れても接近しても良いパンチ。オシールズは打たれるが前進し、右ストレートをヒットさせる。4R、右アッパーをタイミングよく入れたジョンソン。連打されたオシールズがスタンディングダウン。どうやらセコンドが棄権を申し入れたらしく、試合終了。ジョンソンが素晴らしいパンチで勝利。しかし、接近戦で打たれた。プロらしい強さを見せようと接近戦に応じたのだろうが、あまり打たれ強くないのを考慮して試合する必要がある。オシールズは頑張ったが、そこまで。その後、一勝二敗で引退。タイトル戦を経験することはなかった。)
②レバンダー・ジョンソン 10R 引分 エマニュエル・オーガスタス
(ライト級戦、2002年)
(感想:オシールズ戦後、決定戦でWBC米大陸ライト級王者になったジョンソン。しかし、この男はどこかツイてない。バッティングによる相手の負傷により初防衛に失敗。再起戦に判定勝ちしてオーガスタス戦。オーガスタスはイリノイ州シカゴ出身の黒人で、本名は「エマニュエル・バートン」。ニックネームは「The Outlaw」(プロレスラーみたいだ)。「旅人」とも呼ばれるほど各地を転戦する名物男でもある。ヘスス・チャベスにTKO負け、アイバン・ロビンソン、ディオスベリース・ウルタドに判定負け、IBF&WBOインターコンティネンタル王座(J・ウェルター級)獲得、フロイド・メイウェザー・ジュニアにTKO負け、といったキャリア。連戦連勝とはいかないが、実力者相手に試合をしてきた経験がある。アリゾナ州スコッツデールでの一戦(8Rからの映像。TV解説者の採点によると前半はオーガスタス、中盤はジョンソン、といった試合展開)。疲れが見えるジョンソン。得意のジャブ、斜め下からのフック、ワンツーからの左ボディなどを出すが、押され気味。オーガスタスはなかなか積極的で、打ち方も良い。前進し、右ストレート、左右フック攻撃。互いのパンチがヒット。ジョンソンはクリンチさせてもらえず、左フックで何とか応戦。10R終了。共に両手を上げて自身の勝利をアピール。判定はドロー。よく攻めたオーガスタスだが、ジョンソンはディフェンス&正確な強打。ただ、スタミナではオーガスタスが勝っていた印象。その後の二人。オーガスタスは実に多くの試合。勝ったり負けたりだったが、IBA王座(J・ウェルター級)や地域王座を獲得する活躍ぶり。そして最後の試合から数年後の2014年。乱射事件に巻き込まれて後頭部を撃たれ重傷。何とか回復したが、「自分はボクシングしかできない」とカムバックを検討。しかし、ラストファイトは2011年の判定負けのままである。ジョンソンは次の試合で全米ライト級王座獲得。しかし、IBF世界ライト級王座決定戦でハビエル・ハウレギにTKO 負け。四度目の世界挑戦のチャンス到来。決定戦でIBF世界ライト級王者に。ようやく苦労が報われたジョンソンだが、悲劇。2005年9月17日、ヘスス・チャベスとの初防衛戦でTKO負け。そのダメージにより9月22日に死去(享年35)。マーク・ブリーランドのようなパンチの持ち主で才能ある選手だったが、アゴがやや細め。タフすぎるぐらいタフでないとプロボクサーになるのは危険である。)
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