世界二階級制覇。世界王者になる前の試合。エディソン・マルティネス戦、ベルナール・ラザノ戦ほかを紹介します。
ハビエル・カスティリェホ(スペイン)
身長178cm:オーソドックス(右構え)
①ハビエル・カスティリェホ 3R KO エディソン・マルティネス
(J・ミドル級戦、1992年)
(ダウンシーン)
2R:左ボディでマルティネスがダウン
3R:左ボディでマルティネスがダウン
(感想:カスティリェホはマドリード州パルラ出身。ニックネームは「El Lince de Parla(パルラの山猫)」。マドリードでプロデビュー。プロ八戦目で判定負け。そこから連勝。スペイン・ウェルター級王座を獲得、防衛。マルティネスはコロンビア人。コロンビア王座に挑戦して判定負け。以来、ルイス・ガルシア(後、モーリス・ブロッカー、フェリックス・トリニダードの世界王座に挑戦、敗北)、ロナルド・ライト(後の世界J・ミドル級王者)、フレディ・ペンドルトン(後のIBF世界ライト級王者)らを相手に連敗中。スペイン・レガネスでの一戦。互いにジャブ。マルティネスは足で距離を取ってジャブ(構え方、足のステップがエドウィン・ロサリオ風)。カスティリェホはパワフルな男。前進し、左フックからの右ストレート、左ボディ打ち。実に迫力のある打ち方でマルティネスをロープ際に追い込む。2R、左ボディでマルティネスがダウン。これが効いたらしく、3Rに左ボディで再びダウン、完全KO。カスティリェホが快勝。迫力のある攻めをする魅力的なファイター。マルティネスは単なる「いけにえ」だった印象。その後、マルティネスはセグンド・メルカド、ギレルモ・ジョーンズ、グレン・ジョンソンらを相手に全敗。負けが多いキャリアだったが、多くの実力者と対戦できた。)
その後のカスティリェホ
元世界王者ハリー・アローヨ、ソウル・マンビーに連勝、WBCの地域王座(J・ミドル級)獲得。フリオ・セサール・バスケスのWBA世界J・ミドル級王座に挑戦したが、パワーで押されて判定負け。ハビエル・リベラと再起戦。
②ハビエル・カスティリェホ 4R TKO ハビエル・リベラ
(J・ミドル級戦、1993年)
(ダウンシーン)
1R:右ストレートでリベラがダウン
3R:連打でリベラがダウン
(感想:リベラはプエルトリカン。勝ったり負けたりの選手。レガネスでの一戦。1R、ガードを固めてストレート、フック連打、アッパー気味フックのカスティリェホ。コンディションは良さそう。リベラはパンチのキレに欠けるが、フックでの打ち合いに応じる。右ストレートでリベラがよろめいてダウン。3Rには連打でダウン。4R、リベラがワンツーからの左ボディ打ち(なかなか良いパンチ。どうやらリベラはスロースターターらしい)。しかし、キズのドクターチェック。再開後、左フックからの右ストレートを打たれたところでレフェリーストップ。カスティリェホが力強いストレート、フックで手数を出して勝利。リベラは特別な強さがない普通の選手。その後、WBCの地域王座(S・ミドル級)に挑戦して1RでKO負けするなど連敗で引退。)
③ハビエル・カスティリェホ 6R TKO ベルナール・ラザノ
(欧州J・ミドル級タイトル戦、1994年)
(感想:カスティリェホがタイトル獲得。リベラ戦後、WBCの地域王座を防衛したカスティリェホ(25歳)。今度は欧州王座にチャレンジ。王者ラザノ(30歳)はフランス人。勝ったり負けたりだったが、フランス王座(J・ミドル級)獲得。ローラン・ブードゥアニに勝利して欧州王座も獲得。これが初防衛戦となる。フランス・ディジョンでの一戦(レフェリーはジョン・コイル)。いかにもフランス人ボクサー、といった感じのラザノ。ガードを固めてジャブ、ストレート。右ストレートからの左ジャブといったテクニックも。カスティリェホは開始から攻撃。右ストレートからの左フックにパワー。ラザノは1Rから左目下をカット。その後もパワフルなカスティリェホ。ラザノはジャブで応戦するが、左マブタもカット。そして5R。強烈なバッティングでラザノがさらにダメージ。結局、このラウンド終了後、ラザノが棄権。カスティリェホが攻めの姿勢で勝利。残すターゲットは世界王座のみ、といった感じの力強さだった。ラザノはテクニシャンタイプ。相手のパワーに押された。そして一年後の再起戦に判定負けで引退。二つの王座を獲って満足したのだろう。)
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