WBA世界フライ級王者。実力者との再戦。イラリオ・サパタ戦(再戦)、デーブ・マコーリー戦(再戦)、レイ・メデル戦を紹介します。
フィデル・バッサ(コロンビア)
身長161cm:オーソドックス(右構え)
①フィデル・バッサ 15R 引分 イラリオ・サパタ
(WBA世界フライ級タイトル戦、1987年)
(ダウンシーン)
1R:ワンツーでバッサがダウン
(感想:バッサがタイトル防衛。コロンビアの黒人バッサ。貧しい家庭の出。プロでは連戦連勝で、日本でもおなじみのサパタ(パナマ)から王座奪取。初防衛戦の相手はデーブ・マコーリー(英国)。これに苦戦して何とか王座防衛。フックを当てる巧さ、思い切った打ち方といった良さがあるが、打たれ弱さが見え隠れする。二度目の防衛戦でサパタと再戦。初戦は積極さでバッサ。再戦はどんな内容となるか? パナマシティでの一戦。ゴング前、両者リング中央でニラみ合い(緊迫感)。1R、共に足でリズムを取って速いジャブ。バッサが右ストレートからのフック。サウスポーのサパタは相手から距離を取って左ストレート。ワンツーでバッサがダウン。再開したが、リング外で何やらハプニングがあり、試合中断。2R以降、バッサが距離を詰めて右ストレート、左ボディ打ち。サパタはカウンターで応戦し、自分からは攻めない。8R、バッサが「ラフ行為」で減点(ラウンド終了後、バッサのセコンドが抗議)。その後も攻めるバッサ、受け身のサパタ。12R開始前、リング外でゴタゴタ。バッサが前に出続けて15R終了。リング上に大勢が押し掛ける(関係者以外の者も?)。判定はドロー。リングに客席からモノが投げ入れられ、リングからあっという間に人が消えた。攻勢点でバッサ防衛。サパタは勝てるだけのパワーがあったが、受け身、チャレンジャーは攻めないと話にならない。その後のサパタ。しぶとくリング活動。しかし、文成吉(韓国)のWBC世界J・バンタム級王座に挑戦して1RでTKO負け(1993年)。それが最後の世界戦で、ラストファイトとなった。)
②フィデル・バッサ 12R 判定 デーブ・マコーリー
(WBA世界フライ級タイトル戦、1988年)
(ダウンシーン)
9R:右フックでマコーリーがダウン
(感想:バッサがタイトル防衛。バッサの四度目の防衛戦。マコーリーとは初防衛戦で戦い、苦戦。15R制だったからよかったものの、12R制だったら負けていたところ。今回は12R制。再戦はどんな内容となるか? 北アイルランド・ベルファストでの一戦(レフェリーはトニー・ペレス)。ジャブで前進するマコーリー。戦い方が「先輩」バリー・マクギガンにソックリ。バッサはフットワークで距離を取りながらジャブ、フック。テンポよくパンチを打ち込む。接近戦では互いにフック。マコーリーが左ボディからの右ストレート。バッサは右パンチにパワーがあり、フックを当てるテクニック。右クロス、クリンチも使用。9R、右フックでマコーリーがダウン。10Rにはバッサの左フックがクリーンヒット。11Rにちょっとしたハプニング。右フックが効いたバッサがクリンチ。12R終了。手を上げて観客に勝利をアピールするマコーリーだが、判定は3-0。バッサが奔放なフック攻撃&ディフェンスで勝利した。惜しかったマコーリー。後、IBF王者に。)
③フィデル・バッサ 12R 判定 レイ・メデル
(WBA世界フライ級タイトル戦、1988年)
(感想:バッサがタイトル防衛。これまで20勝(13KO)1分のバッサ(25歳)が五度目の防衛戦。挑戦者メデル(21歳)はテキサス出身で15勝(7KO)3敗。デビュー当初に取りこぼしがあったが、全米フライ級王座獲得。以後、連続防衛。どうやら「勝つコツ」をつかんだらしい。所属はあの「クロンク」。セコンドにはエマヌエル・スチュワード。テキサス州サン・アントニオでの一戦。体格、戦い方が似ている両者。ジャブ、右ストレート、ワンツーからの左フック。接近戦では互いにフック。メデルは特に左フックを武器とする。互いにディフェンスしながら力強い打ち方。バッサのボディ打ちがローブロー気味になるシーンも。打ち合いが続く。サウスポーにスイッチしたりするなどメデルのパンチも当たるが、フックを当てる巧さでややバッサが上か? 12R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。一進一退の攻防。当てるテクニックでバッサ勝利。メデルも良い選手だった。その後の両者。メデルはその後も全米王座を防衛したが、全米J・バンタム級王座戦でロバート・キロガに敗北。世界戦はバッサ戦のみに終わった。バッサは七度目の防衛戦でヘスス・ロハスに敗北、王座陥落。網膜剥離で若くして引退。小柄ながら精力的な試合ぶりだった好選手。引退後は教育関連の会社を興したとか。)
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