2025年4月1日火曜日

「面白い動きをする英国人」カークランド・レイン①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

英国ウェルター級。コリン・ワード戦、マイク・ピシオッティ戦、ロッキー・ケリー戦、トレバー・スミス戦を紹介します。


カークランド・レイン(イギリス)

身長  cm:オーソドックス(右構え)


カークランド・レイン 5R TKO コリン・ワード

(ミドル級戦、1980年)

「面白い動きをする英国人」カークランド・レイン①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

5R:右フックでワードがダウン

(感想:ボクシング界は個性的な人間の集まりだが、このレインは独特な動きで印象に残る男。おもちゃのロボットのように「トコトコ」足踏みをするかのような動きで左ジャブ、右ストレート。それでいて器用に戦う(パンチをよけ損なってKOされたことも)。ジャマイカ出身で、イギリス国籍の黒人。ニックネームは「The Gifted One」(「才能ある者」の意)。憧れのヒーローはモハメド・アリ。オリンピック出場を目指したが、叶わず。プロ入り後、連戦連勝で英国ウェルター級王座を獲得。ワードとノンタイトル戦。ワードは英国ノーザンプトンの白人。勝ったり負けたりで、このところ二連敗中。タイトル戦の経験はないようだ。英国ケンジントンでの一戦。小刻みなフットワークのレイン(この頃はまだ妙な動きは控えめ)。アップライトスタイルからジャブ、ワンツー。斜め下からの右フックに特徴。ワードは正統派。ジャブを使いながら前進し、パワーを込めた右ストレート、踏み込んで左フック。右ストレートからの左ジャブといったテクニックも持っている。攻めるワード、攻撃をかわすレイン、といった展開。5Rに一気に決着。レインの大きな右フック。これが効いたワードは右フックでダウン。立ったが、右目の負傷もあってレフェリーに止められた。レインが独特の右フックで勝利。大きくしなうように打つ右パンチは伝説の「ボロパンチ」のよう。ただ、全体的には「軽いボクシング」だった印象。ワードは力強くて良かったが、レインに逃げられた。これが最後の試合に。)


その後のレイン

ワード戦の次の試合でコリン・ジョーンズ(後、ミルトン・マクローリー、ドナルド・カリーと世界王座を争ったが果たせず)にTKO負けして王座陥落(初黒星)。ジョーンズとの再戦もTKOで敗北。デトロイトでロベルト・デュランに2-1の勝利。世界を狙うフレッド・ハッチングスにTKO負け(ハッチングスはその後、トーマス・ハーンズのWBC世界J・ミドル級王座に挑戦して3RでTKO負け)。その後は中堅との試合が続く。


カークランド・レイン 10R 判定 マイク・ピシオッティ

(J・ミドル級戦、1986年)

「面白い動きをする英国人」カークランド・レイン①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(感想:これまで27勝(11KO)5敗1分のレイン(31歳)。ピシオッティ(28歳)はペンシルベニア州フィラデルフィア出身(イタリア系?)。中堅どころと戦ってきたキャリアで、30勝(16KO)3敗3分。ピークを過ぎたケビン・ルーニー(後、マイク・タイソンのトレーナーに)、パブロ・バエズに勝利。直前の試合はTKO負け。アトランチックシティでの一戦(リングアナはエド・デリアン)。正統派のピシオッティ。ジャブ、そして右ストレート、左フック。なかなかパワフルな攻撃。レイン(星条旗をイメージしたトランクス)は両手のガードを下げ、足で距離を取りながらジャブ連打、ワンツー、左フック、左ボディ打ちでカウンター。2R、レインがレフェリーから何やら注意されてイラっとした表情。3R、左フックを食ってレインがダウン寸前(グローブがキャンバスにタッチしたように見えたが、レフェリーはカウントを取らず)。その後もカウンターのレイン。ピシオッティはいいパンチを打っているが、逃げられる。この試合でのレインの注目ポイントはディフェンス。攻められて慌てて逃げる様はなかなか滑稽。7R開始早々には攻められてスリップダウン。8R、両者が互いに挑発(ピシオッティが「打ってこい」アピール。レインは何とも言い難い微妙な動きで反応)。9R、レインが左フック連打。10R、最後まで攻めるピシオッティだが、逆に左フックを食う。10R終了。判定は3-0。レインがディフェンス、当てる巧さで勝利。3Rは危なかったが、打ち合いを避けて勝つことができた。ピシオッティは強い選手。しかし、逃げられて消化不良のような内容に。これが最後の試合になった。)


カークランド・レイン 5R TKO ロッキー・ケリー

(英国ウェルター級タイトル戦、1987年)

「面白い動きをする英国人」カークランド・レイン①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

2R:右フックでケリーがダウン

5R:ワンツーでケリーがダウン

(感想:レインがタイトル初防衛。シルベスター・ミッティを決定戦でTKOして英国ウェルター級王座を奪回したレイン。初防衛戦に挑む。挑戦者ケリーは英国リバプール出身の白人。本名は「ハミルトン・ケリー」。ローカル王座(ウェルター級)を獲得しているが、英国ウェルター級王座挑戦はTKO負け。このところ連勝で、二度目の挑戦。英国フラムでの一戦。レゲエ頭のレイン。直立&ノーガードで相手を挑発して誘いながらジャブ、右カウンター。ケリーはガードを固めて右ストレート、左フックを使うが、かわされて空転。2R、左フックが効いたケリー。右フックでダウン。4R、ワンツー、左フック、左ボディ打ちでレイン優勢。ケリーの左フックもヒットするが、当たりが浅いか? 5R、強烈なワンツーでケリーが痛烈なダウン。立ったが、左目下のキズもあってレフェリーストップ。レインが快勝。個性的な動きが面白い男だが、パンチはシャープで強い。ケリーは気の毒。よく攻めたが、逃げられた。その後、ケリーは英連邦王座に挑戦したが、TKO負け。ローカルな活躍にとどまった。)


その後のレイン

イタリアの実力者ニノ・ラロッカと空位の欧州王座(ウェルター級)を争って判定負け。ジョージ・コリンズ相手に英国王座防衛。試合数がやたら多いことで有名なバック・スミスにTKO負け。トレバー・スミスと英国王座防衛戦。


カークランド・レイン 6R TKO トレバー・スミス

(英国ウェルター級タイトル戦、1990年)

「面白い動きをする英国人」カークランド・レイン①「世界チャンピオン列伝:ボクシングブログ」

(ダウンシーン)

6R:右ストレートでスミスがダウン(?)

(感想:レインがタイトル防衛。挑戦者スミスは英国ハーロウ出身の白人。デビューから全勝。ローカル王座を獲得、防衛。連勝中の勢いで、経験あるレイン相手にどんな試合をするか? ロンドンのメイフェアでの一戦。長い髪を編んでくくっているレイン。いつものように足で相手から距離を取ってジャブ、ワンツー、左フックでカウンター狙い。「ピタッ」と動きを止めたり、小刻みに動いてフェイントを使ったりの面白い動き。スミスはよく鍛えられた身体。距離を詰めて力強いワンツー、フック、ボディ打ち。しかしながら、空転。器用なレインがディフェンスしながらワンツー、カウンター攻撃。5R、スミスがフック連打。レインは左ボディ連打で激しく報復。6R、右ストレートが効いたスミス。バランスを崩したところ、後頭部に右ストレート(ラビットパンチ)を食ってダウン。タフなスミスは立ったが、右ストレートを連打されたところでレフェリーストップ。レインがディフェンス&カウンターで勝利。スピードが売りの選手だが、パンチもあるところを見せた。スミスは背後からパンチを食ってダウン扱いされた不運(タイミングによってはラビットパンチも許されるらしい)。負けたが、パワーはあった。その後、スミスは三試合。再起戦に勝利後、二連敗だった。)

 

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